歌を詠う

意味を考えることは楽しい

【カム・ウィズ・ミー】

タイトル:カム・ウィズ・ミー

作詞:GARDNER CAROLYN DAWN

作曲:KAVANAUGH JOHN W

 出版:WALT DISNEY MUSIC COMPANY

 東京ディズニーシーのグランドオープンに合わせて作曲されたものと思われます。CMでも用いられ、同パークのキャッチコピーである「さあ、冒険とイマジネーションの海へ」にも込められた冒険心などを掻き立てるような曲です。

 

歌詞:

Tales of adventure have sprung from the sea
Beauty, romance and deep mystery
Drifting on oceans sifting thru sand
Here where are the legends began

Let's voyage like Sinbad
Discover it all
See new treasures
At each port of call

Dreams that were harbored
Now sailing free
Discovering destiny

Come, come with me
In the mist of a dream we will be
Feel the waves of adventure wash over you and me
Tokyo DisneySea

Find the dreamer that dwells in your heart
Take my hand now and we'll make a start
We'll travel to ancient places unknown
Where only the sea winds have blown


Let's journey together without any plan
My heart's your compass and I have your hand
Dreams can come true so just set them free
Blieve it and you will see

Come, come with me
In the mist of a dream we will be
Feel the waves of adventure wash over you and me
Tokyo Disneysea

It's a marvelous magical journey
On a daring seafaring quest we'll explore
Each passageway to paradise
Each far and distant shore

Come, come with me
We will sail we will soar and be free
Feel the waves of adventure wash over you and me
Tokyo Disney, Tokyo DisneySea

 

日本語訳(自作):

冒険の話は海からパッと生じた

美しさ、愛、神秘

海上を滑り、砂を切り抜けて

ここは、数々の伝説が始まった場所

 

シンドバッドのように航海をして

全部見つけよう

立ち寄る先々の港で新しい宝物を

 

かくまわれていた夢は

今自由に海に出ることが出来る

運命を探すために

 

僕たちと一緒においでよ

夢であふれる霧の中に

君と僕を包み込むような冒険の波を感じよう

それが東京ディズニーシー

 

君の心の中に住んでいる「夢見る人」を見つけよう

僕の手を取って今始めよう

誰も知らない古代の場所に旅をしに行こう

そこはまだ海風しか吹いたことがない

 

予定なんか立てずに一緒に旅をしよう

僕の心があなたのコンパスで僕は君の手を握っている

夢は叶うんだから自由にしてあげて

信じればわかるよ

 

僕たちと一緒においでよ

夢であふれる霧の中に

君と僕を包み込むような冒険の波を感じよう

それが東京ディズニーシー

 

それは驚くべき魔法に満ちた旅

僕たちが行く大胆な、船乗り稼業の探求では

パラダイスに続くどの道も

遠く果てしないどの海岸も

 

僕たちと一緒においでよ

海に出て、空高く上がって自由になるんだ

君と僕を包み込むような冒険の波を感じよう

東京ディズニー、そう東京ディズニーシー

 

以上簡単に訳してみましたが、自分は形式主語のItなども「それ」と訳して文脈などから後でとか頭の中で意味を処理する癖があるので、全体的に直訳的になっています。

ここから、歌詞の改行や倒置などを無視した解釈を行っていこうと思います。

 

解釈:

ここ、東京ディズニーシーは海をテーマにした場所であり、この海、すなわち東京ディズニーシーから様々な種類の伝説が生まれた。

 

シンドバッドがしたように、航海の先々で立ち寄る港で毎回新しい宝を見つけることが出来る。

 

封印されていた夢が今自由となり、運命を探しに海に出る。

 

僕たちと一緒にこの夢で溢れる世界(東京ディズニーシー)で冒険のすばらしさを感じよう。

 

 

君の心の中にある夢見る気持ちに正直になって、僕の手を取って今、航海に出よう。

旅の行先は未だ海風が吹いたことしかない未知の場所だ。

 

予定なんか立てなくていい。僕の心がこの旅の指南であり、僕は君の手を握っている。

心の夢に正直になるんだ。信じていれば夢は叶うんだから。

 

僕たちと一緒にこの夢で溢れる世界(東京ディズニーシー)で冒険のすばらしさを感じよう。

 

パラダイスに続くどの道も、遠く果てしないいかなる海岸への航路も、僕たちの行く勇敢な船旅は驚くべき魔法に満ちた旅。

 

僕たちと一緒に海に出て、空高く上がって、自由になって、そして冒険のすばらしさを感じよう。

東京ディズニーシー

 

 

自分で言うのもあれだが、なかなか日本語らしくなったのではないだろうか。一度ここでちょっとした解説をしておこうと思う。

「Dream」を「set free」などという文言は、「夢を自由にする」では意味がわからない。そこで「Find the dreamer dwells in your hear」からヒントを得て、「自分の夢に素直に、正直になること」と解釈した。冒険とはある意味文明社会から離れる行為とも考えられ、そういった社会では実現可能性の低い「夢」もここ「東京ディズニーシー」でなら叶えられるという主張であると解釈した。
 
次に、要所要所で気になったところを考察してみる。
「解釈」で赤字にしたところについて触れる。

 

考察:

  • 「伝説」→「Legend Of Mythica
  • 「シンドバッド」→「シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ」※1
  • 「僕の心がこの旅の指南」→「Compass Of Your Heart」※1
  • 「空高く上がって」→「ソアリン:ファンタスティック・フライト」※2

※1 開園当初は「シンドバッド・セブンヴォヤッジ」というアトラクションでテーマもかなり異なるが、リニューアル後の内容のほうがこの歌の歌詞に合う。歌詞も然り。

※2 開園当初は開発計画のなかったアトラクションだが、当該計画に多少なりともこの歌の寄与があるのではないかと考える。

 

所感:

東京ディズニーシーのグランドオープンに合わせて作られた歌ゆえ、当初の集客目的が大きかったのではないかと思ったり、18年前のパークの曲を現在のそれと関連付けることはやはり難しい。しかしながら東京ディズニーシーの「海」や「冒険」といった概念が気持ちよく練りこまれているこの歌は、パークの開園に先立ち、多くの人々の心を奮い立たせたのではないかと思う。